私がフジファブリックを聴くようになってから、仕事の相棒もすっかりフジファブリックを好きになってしまいって自主的に(笑)フジファブリックを聴くようになりました。
同じ場所で仕事をしていることが多いため、仕事中はヘッドフォンで聴かない限り強制的に耳に入ってきてしまうはめになるのです。
一昨年の夏に大きな転機を迎えた仕事場は、それまで常に音楽を流していた環境からそうでない環境に変わりました。
先日、仕事の相棒が唐突に「フジファブリック聴こう~っと」と自主的にかけたのが『SINGLES 2004-2009』。
曲順をランダムにしてかけていたようなので、はじめは全アルバムの曲をランダムにしているのかと思ってしまった。
いつもと曲の聴こえ方が違うな、何か改めてすごく新鮮に聴こえるなって思いながら耳が自然と曲に集中していって、聴き始めから4~5曲目くらいで、ようやく『SINGLES 2004-2009』をかけていたことに気付く。
耳慣れたアルバムバージョンと微妙に違ってたりもするからか。
それとも、久しぶりに聴いた環境のせいなのか。
兎にも角にも、一曲一曲が染み入って来て、どれもいい曲だなぁ~としみじみ思う。
そして不思議に思うのは、シングルA面集でありながら、A面曲を寄せ集めたというより、これはこれで一枚のアルバムとして成立しているように思えること。
それは突出した爆発的ヒット曲がなかったということは大きいと思いますが。
幾度となく注目を集めるきっかけがあり、今やフジファブリックの代表曲のようにもなっている『若者のすべて』があるけれど、この曲がこのシングルA面集の中で悪目立ちすることもない。
むしろ目立つと言えば、映画『悪夢探偵』のエンディングテーマとして制作された『蒼い鳥』でしょうか。
シングル発売時にはオリコン初登場9位と、フジファブリックとしては初めて10位以内の登場を記録した楽曲であり、ライブビデオの『Live at 両国国技館』(2007/12/15収録・2008/12/17リリース)には収録をされているものの、
アルバムとしてはこのシングルA面集の『SINGLES 2004-2009』(2010年発売)に収録をされているだけで、シングル発売直後2008年1月ににリリースされたアルバム『TEENAGER』には収録されていません。
直後のアルバムと言っても、2007年1月のシングルリリースから1年経ってのアルバムだし、映画『悪夢探偵』のエンディングテーマとして制作された楽曲のため、『TEENAGER』のコンセプトには合わなくて収録をされなかったのかなと想像します。
少なくとも映画のテーマだからとか、オリコン登場順位が高かったからとかいった理由でアルバムに組み入れるようなことはしなかったのですね。
さすが、フジファブリック。
そのような『蒼い鳥』だからこそ、このシングルA面集の『SINGLES 2004-2009』の中において流れてくると、いい意味でちょっとドキッとしたものがあります。
ただ、この曲がアルバムの中で目立つように感じるとは言え、それぞれの曲にそれぞれの個性があるため、たぶん聴くその時々によって妙に響いてくる曲が変わるのだろうなと思います。
収録された11曲はそれぞれに個性的でそれぞれの特徴を持ちながらも、どれもフジファブリックであり、1曲1曲が濃密であると感じます。
そしてシングルA面集でありながら いい意味でこのアルバムを当時のフジファブリックの集大成のように感じないのは、シングルとしてリリースされた曲だけが濃密で突出していいといったわけではなく、その他の曲たちもシングル曲と同じように濃密さと個性を持っているからなのだろうと思います。
『SINGLES 2004-2009』は、この期間のフジファブリックを知る一番の近道のアルバムであり、とても素晴らしく、私にとってはいつもとまたちょっと違った角度から聴けるありがたい1枚です。
と、そんなことを思った日。
そして残るは語り切れないもどさしさ。はぁ。
『SINGLES 2004-2009』収録曲
1.桜の季節
2.陽炎
3.赤黄色の金木犀
4.銀河
5.虹
6.茜色の夕日
7.蒼い鳥
8.Surfer King
9.パッションフルーツ
10.若者のすべて
11.Sugar!!