フジファブリック・志村正彦・富士吉田 × 私の脳内万華鏡

フジファブリックに追いつけない

私がフジファブリックを知ったのは3年ほど前のことです。

初めて耳にしたのがアルバム『TEENAGER』で、それから志村正彦vo.のフジファブリックを聴き漁るようになりました。

 

それでどんどん取り憑かれてしまったため、山内総一郎vo.曲に手を付けるまでには時間がかかり、私にとってのフジファブリックは長い間 志村正彦フロントマンのフジファブリックでした。

 

音楽とは不思議なもので、好きになったときが旬なのです。

過去のものとか、現在のものとか関係ない。

 

リアルタイムでフジファブリックを聴いてこなかった私にとっては、今でこそ志村正彦フロントマン時代の音源リリースのタイムラインが整理されていますが、しばらくの間は時系列がなく、初めて聴く曲が新曲でした。

 

そのほとんどを味わってから、山内総一郎フロントマン時代の曲を少ずつ、ほんの少しずつ聴くようになり現在に至っているため、現在の私はまだ山内総一郎フロントマン時代のフジファブリックは聴いていない曲の方が多くて、時系列が曖昧なまま、現在のフジファブリックを見ています。

 

それはなんか、とても不思議な感覚。

現在のフジファブリックのリアルな新曲があり、私にとってだけの新曲もある。

 

フロントマンが変わっていないバンドなら、リアルタイムに乗っかって、聴いていなかった曲を聴いたなら「こういう曲もあったのね~」と何の不思議な感覚もなく聴けると思うのだけど、フジファブリックの場合は何か違う。

 

フロントマンが変わったからというのは言うまでもありませんが、フジファブリックの場合、フロントマンの交代理由が稀有であり、現世からいなくなってしまったはずの志村正彦は、姿は見えなくても今もいるというのを感じます。

 

それは三人のフジファブリックメンバーが、そうしてくれているからですね。

そこには大きな感動を覚えるし、私にとっては本当にありがたく、感謝の念に堪えません。

 

で、そんな稀有な流れを持つ生身三人態勢フジファブリックも、そうなってから既に10年近くが経つわけですが、私は現在に至る過程を自分なりに追いたくて。

でもまだ志村正彦フロントマンの曲には、聴くのを重ねるごとに新しい発見や感動があるため、まだまだ私にとっては新鮮な存在で。

だから、なかなかフジファブリックのリアルタイムに追い付くことができません。

 

そしてそれにはたぶんもうひとつの大きな理由があって、リアルタイムでフジファブリックを聴いてこなかった私にとっては、想像を絶するような あの日の悲しみは経験していないわけで、大きな喪失感もないわけです。

喪失感が全くないわけではないですが、きっと当時熱心なファンだった方からしたら、大海の一滴くらいなものでしょう。

 

時間的には、志村正彦vo時代にリリースしたインディーズの1stアルバムからクロニクルまでまでが約7年、musicまで入れて約8年、メジャーデビューからだとクロニクルまでまでが約5年、musicまで入れて約6年。

 

山内総一郎vo時代になってからは、リリースしたアルバムで追うと初めてのSTARから7年が経過しています。

 

単純にはメジャーデビューから志村くんのいた約5年半の倍の時間をじきに迎えようとしているわけで、私の中のフジファブリックはフロントマンのボリューム感が全くそれと一致していません。

 

まだ、一致させたくないんですね。

今と一致させたくない。

 

あの日の悲しい衝撃や計り知れなく大きな喪失感は、私にはこの先も絶対に経験できるわけはないのですが、小さなそれさえもやってくるのが怖いのだと思います。(どんとで経験してしまっていますしね)

 

だからリアルタイムでないところに居続けているのだと思います。

 

もちろんリアルタイムのフジファブリックを無視することはできないし、むしろ気にかけていますけれども。

 

NEWアルバム発売に向けたアー写の総くんの顔がすごくいいです。

INFORMATION | フジファブリック Official Website

今まで見た総くんの写真の中で一番いい目をしてると思いました。私なりの感覚ですが。

 

 

私は私なりのゆっくりなペースで、これからもフジファブリックを聴いていきたいと思います。