私がフジファブリックシンドローム*1に陥っていった経緯などを話す3話目になります。
実際の時の流れとは別な次元でゆっくり気ままに進むこのブログ、ご容赦ください。
-『若者のすべて』に感動、それは 私にとって晴天の霹靂とも言える事態だった -
このブログの初投稿に書いた通り、私には、特に歌ものに関しては、中毒症状を起こすようなバンドに出会うなどということは、想像だにしていませんでした。
初投稿記事
今日は納豆の日。そしてフジファブリック・志村正彦の誕生日に寄せて - フジファマジック
だいたいにして、歌ものというのは、歌詞があるだけに、作者のボキャブラリーも曲の印象に多大な影響を及ぼします。
サウンドはいいのに歌詞がなぁ、と思うことはとても多いし、歌詞もサウンドもいい感じだけど歌い方や声で耳が閉じてしまうこともしばしばで、
歌があること自体を邪魔に感じて歌の無い、もしくは歌詞の意味がわからない外国語の曲の方が耳馴染みがよく聴こえることが多いです。
もちろんそうした中でも、とても好きなバンドやシンガーソングライターはいるのですが。
ただフジファブリックに出会った当時は15年くらい前から常に音楽(主にインストと、歌が入っても洋楽)が流れる仕事場にほぼ一日中週6でいたので、
逆に音のない時間を求めていたこともあり、
かつてのように自ら音楽を求める心は枯れてしまっていて、
ましてや青くさい青春ものや切ない思いを綴った恋愛ものは、
遠い眼差しでフフンと眺めるような捻くれたところもありましたから、
『若者のすべて』を聴いて、サウンドやメロディーだけならまだしも、歌詞にまでグッと来てしまった自分が信じられませんでした。
しかも、淡々と喋っているような、近所のお兄さんが歌を口ずさんでいるような、
そんな歌声に?
何で涙出る? この歳で?(←志村が金髪にしたときの、あるステージでの口調風)
私は自分のプライドを捨てました。(変なプライドがあったんですよね)
素直にこの曲『若者のすべて』は、いい!
と言わざるをえないほど好きになってしまいました。(あー、恥ずかしっ)
それほどこの曲、そしてフジファブリックには強烈な何かが宿っているのだと思います。
ただ好き!とか、いい!とか、感動した!だけ言うのは癪なので、そのうちちゃんとどこをどういいと思ったのか自己分析をした記事を書きたいと思います。
- 『若者のすべて』だけがいいわけではない -
すでに中毒症状*2を発症し、
『若者のすべて』を繰り返し聴くことが続いた私でしたが、
やはりそれだけ夢中になってしまったバンドの曲は他にも聴きたくなるもので、
You Tubeを開いてはフジファブリックのvo.志村曲をいろいろと聴くようになりました。
『若者のすべて』に圧倒的な花丸印が付いてしまったせいか、私の感性の衰えからか、『パッションフルーツ』はかなりいいなと思ったし、他の曲もけっこういいなとは思うものの「これいい!!」というほどにはなかなか至りませんでした。
とあるときフジフジ富士Qでの氣志團が演った『茜色の夕日』を観て、いたく感動してしまったのでありました(なぜに本人でなく、氣志團?)
それから本人バージョンを聴き直したら、え?ん? いいね! この曲。
ということで、
今となっては『若者のすべて』が入り口で次に感動したのが『茜色の夕日』なんて、捻くれ者の私としては、無駄に自分の不甲斐なさと恥ずかしさを覚えずにはいられないのですが、事実なので仕方ないですね。
次に心を鷲掴みされたのが『陽炎』だったように記憶しています。
フジファブリックの曲は知らぬうちにジワジワと滲み込み、そしてあるときスイッチが作動するのです。*3
そのスイッチが作動してからが大変で、一旦スイッチが入った曲を聴くと、何度でも簡単に胸の奥から何かがこみ上げてくるようになります。
『若者のすべて』『茜色の夕日』『陽炎』はどれも心に滲み入りやすく、心を揺さぶられることは理解しやすいのですが、
『ダンス2000』で起きたときには、いささかびっくりしました。
あるときから「ダンス2000いいな~!」って思うようになり、あるときふと『ダンス2000』を聴いていたらやってきちゃったのです、あの瞬間が。
『若者のすべて』でも『茜色の夕日』でも『陽炎』でもあったように、何か熱いものが胸の奥からこみ上げてきて、涙が出て来てしまう現象*4が。
それを経験してからというもの、『ダンス2000』のイントロを聴くとテンションがワァ~ッと上がるという体質になってしまいました。
そしてこともあろうか、あの『桜の季節』*5は、武道館でのフジファブリック10周年記念ライブでの総くん(現フジファブリックvo.山内総一郎)の歌でスイッチが作動。(その理由は省略しますが)
以来『桜の季節』のイントロでテンションがワッと上がる体質になりました。
そうやって、不思議とフジファブリックの名曲は次々と自分の中で育っていくのです。
- 心に刺さる、その源となるもの -
感動する、胸にグッと来る音楽に出会うというのは、人生の上で割と起こるものではあると思うのですが、フジファブリックの、特に志村正彦vo曲については、ちょっと他ではない類の感覚を覚えるように思います。
その理由については、フジファブリックのPVの多くを手がけてきた映像作家のスミス監督をインタビューした柴那典氏の一言、
──音楽へかける思いの純度が高い。
フジファブリック「FAB BOX II」「FAB LIVE II」特集 (2/5) - 音楽ナタリー 特集・インタビュー
この言葉に非常にピンとくるものを感じました。
音楽家・志村正彦の持つ天与の才×音楽にかける思いの純度の高さ。それによって並みならぬ感覚を私たちにもたらしてくれるのだろうなと、そんな風に思うのです。